「ぼくらの中の『トラウマ』」を読んで

「ぼくらの中の「トラウマ」いたみを癒すということ」
筑摩書房 青木省三著

これは図書館の新刊コーナーにあったので借りてみました。
うちのイヌたちにもそれぞれトラウマがあり苦しんでいる、そして現在進行のものもあります。
私にもトラウマはいくつもあります。
トラウマは私が焦点を当てたいテーマなのでこれからたくさん本を読んでいきたいなと思っています。

この本はティーン向けに書かれているので語り口が非常に優しく読みやすかったです。
紹介したいところのピックアップと感想を書いていこうと思います。

p13
怖い出来事によってできる心の傷をトラウマという。(中略)
心の傷から流れさす血は目に見えない。その人の心はいたんでいるのだが、周囲の人にはわからないことが多い。多く人がが心のいたみを口にせず、口にするのはいけないことだと思っていたりする。それだけではなく、自分は弱い人間だ、ダメな人間だとせめていたりする。だけど、弱い人間でも、ダメな人間なのでもない。

p14
心の傷が痛んで出血しているのだ。そのことをその人だけでなく、周囲の人にもわかってほしい。身体の傷が消毒や処置で癒えるように、心の傷も心への消毒と手当てがあれば癒えることを知ってほしい。心の傷から血が流れだしているのに気付き、手当をすることが大切なのだ。

p16
そんなに簡単に「心は癒せるものではない」と思っていたし、日々色々な人に出会いながら、やはり人の心の傷、トラウマは簡単には癒えるものではないと感じている。
(中略)
激薬で一気に治すのではなく、安全で安心できる生活を送るあるいは提供するといような、地道なことをコツコツ続けていくようなものではないかと思う。

まさしくPONOPONOのストレスマネジメントそのものの考え方だと思いました。
まずは安心、安全と本人の思える環境に身を置くこと。そして安心して日々を過ごしながら少しずつ全部はトラウマを取り去れないかもしれないけど、少しずつ薄れていくように暮らしていくこと。
それには時間が年単位でかかることが書いてありました。
私も引っ越しをして安心して暮らしています。
その中で心の回復などできています。
ゆっくり、安心して時間をかけて心の傷を癒していく方法が時間はかかるし、地道ではあるもののよいのではないかと思います。
なにか画期的なメソッドがあるとか、トレーニングで解消できるとかそういうものではなく、日々小さな幸せを積み上げていき、トラウマが少しずつ軽くなる、小さな幸せの方が多くなるというのではないかと思いました。
そしてトラウマがあるのは恥ずかしいことではないと思いました。
そのとき、そのときを一生懸命生きていて、選択してきたんだと自信を持ちたいと思いました。

p180
人の心は簡単にわかるものではない、という謙虚な姿勢で出発したい。

p202
トラウマをもつ人も支援する人も、話すならばまずはトラウマ以外のことがいい。トラウマについて話すのはタイミングを見て最小限にとどめたい。話すとしても、手を動かしたりしながら、体を動かしたりしながら、何かをしながら、その合間に話すが、よいことが多い。

人の心もイヌ、ネコの心も完全にはわかりません。
だって別々の個体であるからすべてわかるわけがないと思っています。
「どうしたいの?」「何が苦しいの?」と問いかけ苦しめるのではなく、自然に体の動きや反応を見ながら少しずつ理解していくのがいいのかなと思いました。
私も自分が話したいときに聞いてもらうのがいいなと思います。

トラウマはだれもが大きいもの、小さいもの、深刻なものそれぞれもっているものだと思います。
大事に癒してほしいなと思いました。

ぼくらの中の「トラウマ」いたみを癒すということ
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