「心配しないで不登校」を読んで

「心配しないで不登校 僕の見つけた生き方」
渡邊広史&石井志昂&田中健一 著
講談社

これも友だちから借りて読みました。
フリースクールに関っているので不登校関連の本はたくさんよむようになりました。
これは不登校で苦しんだ当事者の体験記が書いてありました。
少しまとめて、感想を書こうと思います。

この本は3人の不登校体験者の少年の手記が掲載されていました。
そのときの気持ちやどうしてもらいたかったかが記されています。

それぞれ不登校になったきっかけは違います。
テストの点数でシールを貼りだされる競争主義に疲れたり、校則や生徒の意見を聞かず一方的に意見をおしつけてくる教師や学校の存在がつらい、なんとなく居場所がないといったものでした。
またいじめによる不登校も多くあります。

みんな「学校にいかなくては」という焦りと「いけない自分はなんてダメな人間なんだ」という気持ち、自分だけが学校へ行けず家族を悲しませる罪悪感をすごく感じていました。
そしてありのままの自分を受け入れられないことに苦しんでいました。

「休んでいいよ」と親が言っても親は学校に戻ることを望んでいたら、やっぱり自分はよくないことをしていると思ってしまいます。
子どものためにと親が学校に戻れるようにすることもとてもプレッシャーをかけていました。

それぞれが楽になった、なにかをやってみろうと思ったというのはみんな同じでありのままの自分を家族が受け入れてくれたときでした。

p52
当時のぼくはなにも聞かずにただただ、ありのままのぼくを受け入れてくれる家族が一人でもいてほしかったという気持ちが大きかったと思います。だからこそ、「あなたが変わらなければいけない」という母親や父親に対して裏切られたという思いをもっていたし、話しても理解されないのなら話したくないという気持ちが大きかったのだと思います。

p204
じゃあ、どうしてほしかったの?
正直いってよくわかりません。自分がどういう状況か把握できていないなかで、自分がどうしたいかもわからないのに、なにをしてほしいなんて考えることもできませんでした。
人にyってもさまざまだと思うのですが、ぼくの場合、まずそっとしておいてほしかったな、なにかを本人が望むまで待って欲しかったです。そしてなにかを望んだらはじめて協力してほしかったです。

これを読んでイヌのストレスマネジメントにとてもよく似ているなと思いました。
イヌがストレスいっぱいで荒れていたり、なにがしたいかわからなくてウロウロしていたりするときに、どうにかしてあげなければとか、これができないとこのイヌが困るとか社会に認められないとかいいイヌになれないとか心配してあれこれしようとしてしまいます。
それが余計にプレッシャーになって追いつめてしまいます。

不登校を経験した少年たちも学校に行きたくないと思いながらもがんばってギリギリまで学校に行き、ある日不調が出てしまいます。
毎日毎日頑張っているのです。

今のそのままでいいよと静かに見守ってあげることは焦りもあるかもしれませんが、一番大切なことだと思いました。

学校へ行かなくても色々な選択肢があるようにイヌとの暮らしも色々な選択肢があります。
あまり悩まず、ありのままを受け入れていままでとっても頑張ってきたねと心で応援してあげるといいなと思います。

心配しないで不登校
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