「夜の向こうの蛹たち」
近藤 史恵著 祥伝社
特に前から読もうと思っていた本ではありませんでしたが、自宅から一番近い図書館のおすすめスペースにあったので借りて読んでみました。
文章がとても読みやすくスラスラと短時間で読むことができました。
小説家と小説家の秘書の関係を主に書かれたものでしたが、私はこのテーマはルッキズムだと思いました。
ルッキズムとは「見た目」に基づいた評価による差別と偏見のこと。
おなじ小説でも美人でスレンダーでおしゃれな人が書いたとすると称賛され、大柄で肉付きのよい女性が書いたとすると似合わないと言われる。
そのために覆面作家になったり、代理で自分の役をやってもらうことでのびのびと表現ができるということがあります。
まさにこの物語でもそうでした。
見た目と生み出したものがリンクされ、関係ないのに評価の対象となることがたくさんあります。
私も自分自身の見た目にはコンプレックスをたくさん持っているのでできれば隠れていたいと思っています。
何かを表現したりするならば、本当にドキドキと緊張するのです。
でもイヌやネコたち、動物たちは見た目なんてなにも考えず、慕ってくれたり仲良くしてくれたりします。
この前私はアトピーがひどいので「こんなにアトピーがひどいのに夫さんはよく一緒にいてくれるね」と知り合いから言われたことがあります。
少しずつでもよくなっているんだけどなとそのときは少しショックでしたが、仲良くしてくれる子どもたちは「それどうしたの?」と心配してくれるだけで人を傷つけるようなことは言わずにいたわってくれます。
ルッキズムは特に女性差別で蔓延していると感じます。
ルッキズムにとらわれない生き方を動物たちから学び、広がってほしいなと願うばかりです。
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